白内障とは、眼の中にレンズ(水晶体)が混濁することによって、視力が低下することをいいます。原因は様々ですが、最も多いのは加齢による「加齢性白内障」です。個人差がありますが、誰でも年をとるにつれ、水晶体は濁ってきます。一種の老化現象ですので高年齢の人ほど多く発症しますが、最近ではアトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い人の発症が増えています。
主な症状としては、「目がかすむ」といったものですが、次のような症状があれば白内障の疑いがあります。また、白内障だけでは痛みや充血はありません。
・かすんで見える。
・まぶしくなる、明るいところでは見えにくい。
・一時的に近くが見えやすくなる眼鏡が合わなくなる。
・二重三重に見える。
以上のような症状がある時は一度受診されることをおすすめします。
白内障の治療薬はありますが、水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり視力を回復させることは望めません。視力の回復には手術以外の方法はありません。
・視力が低下して仕事に支障がある。
・外ではまぶしくて、極端に見えづらい。
・視力が0.7以下になって、運転免許の更新ができない。
以上のような症状がある時は手術を考えてみましょう。
手術時間は約10分です。麻酔は点眼麻酔(目薬の麻酔)ですから、痛みはほとんどありません。通院は、術前検査・手術日・翌日・1週間後・1ヶ月後・2ヵ月後・3ヵ月後です。手術日は火・木の午後、入院期間は1泊2日、または日帰りです。*緑内障・糖尿病の方も手術可能です。
オルソケラトロジーとは手術をしない近視矯正法です。角膜の形状や近視度数に合わせて、個々の角膜にきちんと合った特殊なレンズを作成し、そのレンズを夜間装用します。そうすることで、朝コンタクトレンズを外すとクセづけされた部分により、日中は裸眼で生活出来るという最新の治療法です。個人差はありますが、特に10代の子供達には早い効果が得られる、非常に有効な治療法です。
・子供の近視をこれ以上進ませたくない。
・乾燥などでコンタクトをつけたくない。
・野球やサッカーのようなホコリっぽいスポーツをしている方。
・近視は不便で困っている、だけど手術は怖くてできない、という方。
以上のような方におすすめです。
ひとりひとりに合った特殊なハードコンタクトを夜間寝ている間に装着します。寝ている間に角膜にくせをつけるという処方なので、手術せず正常の視力が戻せます。このコンタクトレンズはとても高度な酸素透過性なので、角膜に対するストレスや刺激、痛みが少ないのも特徴です。
装着前
就寝時
朝外した後
加齢黄斑変性症は、視力にとって大切な黄斑部に、下部にある脈絡膜から新生血管ができる病気です。この新生血管から血や水が漏れ出してくると視野の真ん中が見えにくくなったり、ゆがみが出たりします。この異常な血管を消失させる効果のある薬(抗VEGF物質)を目の中に直接注入します。
視力にとって大切な黄斑浮腫を改善する治療です。
点眼、内服治療でコントロールできない方は、レーザー治療・手術治療をしています。